先生のブログ

張替の『ほぼ日通信』

プロフィール
2010/02/05

「春立つけふの風やとくらむ……」 - 日本人の季節感

「立春」を過ぎたのに、今朝も冷え込んでいました。通勤途中の車の温度計は「-4℃」でした。関東地方でさえこの寒さです。北海道・富良野でのインターハイに出かけているスキー部のみなさんと引率の先生は、もう凍りついているのではないかと心配しています。

天気予報によると、明日も好天に恵まれそうですが、まだしばらくは「寒波」は続きそうです。「立春」は二十四節気のひとつで、春の訪れる日です。「こんなに寒いのに春?」と感じることもしばしばですが……。

しかし、この寒さの中(「立春」後の寒気を「余寒」といいます。)で、「春」を探してこそ、日本人!

紀貫之は、「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」と詠みました。夏の暑い盛り,袖を濡らしてすくって飲んだ清水。その泉が真冬で凍っている。今日は、立春。この立春の風が、その氷を融かしているだろう……。貫之は、立春に吹く風、まだ続く寒さを運ぶ北風の中にも,ほんの少し春の息吹を感じとったのでしょう。

兼好法師は『徒然草』で、「花はさかりに、月はくまなきをのみ見るものかは。(桜の花は満開のときだけ、月は曇がないものだけを見るものか、いや、そうではない。)」と言っています。春が真っ盛りになってから、春を楽しむのは野暮なこと。かすかな気配を感じ、季節の変化を楽しむのが日本人の美意識なのです。

凍てつく大地に芽を出し始めたチューリップ、一見枯れ枝のように見えるけれども、日に日に膨らんでくる木の芽など……。春のかすかな足音は、取手聖徳のあちらこちらから聞こえてきます。

みなさんも、春を探してみませんか?

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