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  水 越 卓 治 

プロフィール
2019/01/11

卓491 新春 サスペンス岬


木曜日から新学期も始まりました。

   

2019/1/10  8:53

  

加えて,受験シーズンもいよいよ本格化。

半分冗談ではありますが,

発する言葉もやや精選。

  

身近な物品が,高い場所から低い場所へと

加速して上から下へと移動してしまった場合に,

とっさに実況描写の声を上げちゃう場面でも,

このようにつぶやくようにしています。

 

「重力のバカ。」

   

言葉が乱暴な…, と思われた方は,

「重力にご用心。」, くらいでいかがでしょう。

  

  

   

新春早々,冬休み末期・午後の我が家では,

古いサスペンスドラマがBS放送で流れっぱなし。

 

 

2019/1/9  18:36

  

ラストの方で,刑事に犯行を追及された犯人が,

逆上して喫茶店等を飛び出したその直後に,

後追う刑事らとともに,舞台はなぜだか,

打ち寄せる荒波に切り立つ断崖絶壁に。

    

自然度の増す景観に対し,急変する

この設定の不自然さこそ,視ていて

「待ってました」と心で叫んでしまう

定番の場面。

   

その上,

銃刀法に抵触する格闘をひとしきり終えて,

若干の軽傷者を出して,犯人はお縄に。

船越英一郎さんや片平なぎささんの演技が定番。

昭和後期~平成に大成した時代劇と見ています。

   

 因みに2015年,当時の中学硬式テニス部の

 大会出場の際に泊まった福島県のホテルに,

 ドラマのロケででしょうか,片平なぎささんの

 ご一行が同宿だったときがありました。

 当時の生徒達は,きいたことがないとのこと

 でしたので,気を揉むことは特になしでした。

  

でも,この手の場面,きらいにはなれません。

それは,地形が気になるからです。

     

     

逃げ道の選択肢のない,

極度に追い詰められた状況を,

劇場的に映せる地形はやはり,

下部に荒波の絶えず打ち寄せる

海食崖(かいしょくがい)が最上の選択で,

   

洋上に突き出た岬ともなれば,

後戻りできない感がいっそう引き立つ,

不思議な花道として選ばれてきた空間

なのかもしれません。

   

では,このほかにある地形の数々で,

サスペンスドラマのクライマックスに

合うものは果たしてどれくらいあるのでしょうか。

 

高校の地理A・地理Bで出てくる地形の種類の数々で

俳優陣と撮影クルーが現地に赴く現実性も含め,

このことを軽く検証してみました 0120

勝手ながら地形用語の詳説は省略させていただきます。

 

 

01. 自然堤防・浜堤 

⇒ 高低差が数十cmゆえ,画から受ける刺激に乏しいので,難。

 

02. 砂州・砂嘴 

⇒ 海に面しているものの,陸側は低平すぎて,ドラマ的には画にならない。

 

03. 三角州 

⇒ 泥沼にはまるという設定以外,陸が低平すぎて画にならず。

 

04. エスチュアリー 

⇒ 「あなたが川だと思っていたものは,ほんとうは,海だったの!」などというセリフでも無い限り,これも全く画にならず。

 

05. モレーン 

⇒ 岬の場合とは,全く高低真逆のシチュエーションゆえ,却下。

 

06. ドリーネ 

⇒ くぼ地であるため,事件の解決はおろか,閉塞感に満ちた画しか撮れない。

 

07. フィヨルド 

⇒ 『叫び』(ムンク)の場合を除くと,崖はあっても荒波が乏しい場合も多く,叙情的な画を撮りたい場合の効果は,各サンプルで差が大きい。

 

08. リアス海岸 

⇒ 海食崖と並び,採用例最多の部類。適。

 

09. ギャオ(ギャウ) 

⇒ ロケに適しているが,遠くアイスランドまでの移動については,採算に不適。

 

10. 環礁・堡礁・礁湖 

⇒ 海辺に面するものの,珊瑚礁のマリンブルーがムーディーを超えてチャラい画にも映り,オリジナルの作風からは完全に逸脱する。

 

11. 噴火口 

⇒ 海食崖の岬よりも適しているが,ロケ隊の危険度はきわめて高く,保険のかけ高も高額となる。

 

12. 河岸段丘 

⇒ 両岸の段丘面同士から口論・闘争となる場面もよいが,双方間が数百メートル以上も離れているため,撮影陣が良質の画像を撮るのが困難である。

 

13. カルデラ 

⇒ 阿蘇の草千里で迫ってみた場合,周囲の景観が雄大で爽やかに映りすぎてしまい,観光アピール的なパロディー動画になりかねない。

 

14. 地塁 

⇒ へりにつらなる断崖は撮影の舞台となりうるが,下部に荒波が無い点でやはり岬には劣る。幅が平均台のようにきわめて細い地塁の場合にのみ,ロケ採用の魅力が検討される。

 

15. 汽水湖(地形用語ではありませんが) 

⇒ 低平で,水辺ばかりが背景に映る画とはなるが,背後で じょれん(鋤簾)を使って しじみをすくいあげる漁師の姿を足せば,何らかのメッセージ性のある画は撮れそうである。

 

16. 海溝 

⇒ 荒波よりも数千メートルも海面下であり,光が届かぬばかりか,水圧が高すぎてロケ隊の進入そのものが,CG処理を施す場合を除いては概ね不可能。

 

17. トンボロ(陸繋砂州) 

⇒ モンサンミシェルの手前に代表されるように,満潮時に水没するタイプのものは,最適。

 

18. 天井川

⇒ 高い所に水がおとなしく流れているのを背景に,低い所に広がる市街地を見ながら口論する場面ロケが果たして,斬新と評されるのか,意味不明と酷評されるかが謎。

 

19. 三日月湖(河跡湖) 

⇒ 陸水面はあるものの,水流の無い静寂感のために,思い通りの設定になかなか至らない。

 

20. 成層火山

⇒ これこそ富士山頂などで白状を迫るなど,岬以上に圧迫できる場であるが,背景が大パノラマで壮大すぎるため,視る側の注視のポイントが,人間たちのやりとりから逸れてしまう可能性が大きく,ロケ移動に費やす採算とは明らかに合わない。

   

  

ポイントとしては,上記の場合,

 

ある程度定着していた知識をベースに,

与えられたお題の答えを,何十通りも探って,

その良し悪しを検証していこう,

  

というものになります。

長くなりましたのできょうはこのへんで。

   

   

  

   

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